言葉の力|ドリー・パートン——好きな服を着る日に、言い訳はいらない

出かける前、鏡の前で少し迷う。今日は明るい色の服を着たい。でも、ちょっと張り切りすぎに見えるだろうか。結局いつもの服に着替えて、好きな一着はハンガーへ戻る。そんな場面を想像してみてください。

自分らしくいたいのに、目立たない方が自分らしい気もしてくる。歌手のドリー・パートンは、装いと誠実さについて、ちょっと愉快な角度から話しています。

今日の名言

でも、本当に大切なところでは、私はまったく本物だと思っていたい。

ドリー・パートン/NPRインタビュー、2014年5月9日(本記事訳)

華やかな外見と、真剣な歌

原文は「But I like to think I’m totally real where it really counts.」。NPRのデイヴィッド・グリーンが、彼女の声の真実味と、ウィッグなどを含む作り込まれた外見について尋ねた場面での発言です。

パートンは、音楽にはいつも真剣に向き合い、心の底から歌い、書いてきたと説明しました。そのうえで、外見はすっかり人工的に見えると自分でも認め、今回の言葉を続けています。

さらに、自分の装いは田舎育ちの少女が思い描いた華やかさから来ている、とも話しました。飾った外見の奥に、飾らない好みがある。その組み合わせが、この受け答えの面白いところです。

同じインタビューでは、ウィッグが気に入らなければ別のものに替える、と笑いを交えて語っています。自分の見た目を話すときにも、必要以上に重々しくならない人柄がうかがえます。

飾ることは、偽ることとは限らない

ここからは、この発言から考えた本記事独自の解釈です。

自分らしさという言葉には、ときどき「何も足さない状態こそ本物」という響きがあります。でも、好きな色を選ぶことも、髪形を変えることも、その人の好みを表す方法かもしれません。

たとえば、家族との外食に、少し大きなイヤリングをつける。誰かに見せつけたいわけではなく、引き出しを開けたときに目が合ったから。選んだ理由が、それだけの日があってもよさそうです。

もちろん、飾らない服が落ち着く人もいます。華やかにする方が正しい、という話ではありません。外見の控えめさだけで誠実さを測らなくてもいい、という受け取り方です。

鏡の前で、好きだった理由を思い出す

パートンの言葉は、もっと美しくなろう、もっと目立とうという号令ではありません。音楽への真剣さと、自分が好きな装いを、彼女は矛盾させずに語っています。

ハンガーに戻した一着も、たしかに自分が好きで選んだ服。着る日も、着ない日も、その好みまで否定しなくていい。鏡の前の相談が、少し気楽になる言葉です。

出典・参照

NPR, Dolly Parton’s Long Journey Home, 2014年5月9日。インタビュアー:David Greene。掲載トランスクリプトで引用文と前後関係を確認。NPRは音声を正式記録としています。

引用原文:But I like to think I’m totally real where it really counts. 日本語訳は本記事による独自訳です。歌詞は引用していません。導入とイヤリングの例は架空の場面で、本人や読者の実体験ではありません。日常への読み替えは本記事独自の考察です。


※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。

暮らしの小さな楽しみを集めた、127のROOMもご覧いただけます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です