言葉の力|芦田愛菜『猫と話したい』——いつもの横顔に、聞いてみたいこと

猫が窓の外をじっと見ている。鳥がいるのか、風で揺れる葉が気になるのか。それとも、こちらには分からない何かを考えているのか。そんな光景を想像すると、隣に座って聞いてみたくなります。

もし一日だけ言葉が通じたら、何を話すでしょう。俳優の芦田愛菜さんも、流れ星に願うこととして、こんな言葉を選んでいました。

今日の名言

猫と話したい

芦田愛菜/映画『星の子』完成報告イベントのフリップ、2020年9月3日

大きな願いの隣に、猫との会話

この言葉は映画の台詞ではありません。完成報告イベントで、流れ星にお願いしたいことを星形のフリップに書いた場面の言葉です。

イベントでは、作品のテーマである「信じること」についても話が交わされました。芦田さんは、自分が思い描く相手の人物像と、実際の相手をどう受け止めるかについて考えを語っています。

一方、願い事を尋ねられると、話題は最近飼い始めた猫へ。自分のことをどう思っているのか、困っていることはないか、楽しく暮らせているか、どんなご飯がよいか。一日だけでも話してみたい、と説明しました。

他の登壇者が平和や自由な旅、コロナのない日常を願う中での、身近な願いでした。大きな世界の話から、自分と暮らす猫へ。その話題の幅にも、人柄が見えるようです。

話したいのは、自分の話ばかりではない

ここからは、この願いから考えた本記事独自の解釈です。

猫と話せたら、自分の悩みを聞いてもらうのも楽しそうです。でも、芦田さんが挙げたのは、猫がどう感じ、どう暮らしているかを尋ねる質問でした。自分の言葉を届けるだけでなく、相手の側の話を聞いてみたい。その向きが、印象に残ります。

言葉の通じる家族や友人についても、よく知っているようで、まだ知らないことはありそうです。最近よく聴いている曲や、散歩で気に入った道。同じ家で過ごしていても、それぞれに別の一日があります。

だからといって、毎晩ていねいな聞き取り調査を始めなくてもいいのでしょう。今日は話したくない人もいますし、猫なら先に寝てしまうかもしれません。知らない部分があることを、問題ではなく面白さとして眺める。そのくらいの受け取り方が、この願いには似合いそうです。

答えのない横顔も、少し面白い

もし猫との会話が実現したら、意外とご飯の注文が長いかもしれない。そんな想像だけでも、いつもの窓辺が少し楽しくなります。

近くにいるからこそ、まだ聞いてみたいことがある。芦田さんの小さな願いは、相手を分かり切ったつもりにならない楽しさを、思い出させてくれます。

出典・参照

anemo、2020年9月4日、『星の子』完成報告イベントレポート。フリップの文言「猫と話したい」と、その説明を確認。

補助資料:EDGE LINE、2020年9月3日、映画『星の子』完成報告イベント取材記事。映画ナタリー、2020年9月3日、同イベントの報道。

採用した引用は、フリップに記された日本語の文言です。英語版の確定訳は「I want to talk to cats.」(本記事独自訳)で、本人の英語発言ではありません。窓辺や日常の例、猫との会話の想像は本記事の創作・考察で、本人の体験談ではありません。


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