言葉の力|セネカ——返信が来ないだけで、反省会を始める日に

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送ったメールに、まだ返事がない。それだけなのに、「書き方がまずかったかな」「怒らせたかもしれない」と、頭の中では反省会が始まります。相手はお昼を食べているだけかもしれないのに、こちらでは議題が三つも四つも増えている。

考えておけば安心できそうで、考えるほど落ち着かない。そんな日に、少し距離を置いて読みたい言葉があります。

まだ起きていない出来事まで、引き受けない

私たちは、現実よりも想像の中で苦しむことのほうが多い。

セネカ『ルキリウスへの倫理書簡集』第13書簡・第4節。Gummere英訳からの本記事訳。

参照した英訳は “we suffer more often in imagination than in reality.”。セネカはこの書簡で、まだ到来していない困難への恐れを扱っています。「心配は全部思い込みだ」と片づける言葉ではなく、いま起きていることと、これから起きるかもしれないことを分けて読む手がかりにしたいと思います。

事実は一行、想像は長編になりやすい

メールの例なら、分かっている事実は「まだ返信がない」。忙しいのか、確認中なのか、不満があるのかは、今のところ分かりません。ところが頭の中では、先方のため息まで聞こえてくる。想像力は頼もしい能力ですが、ときどき演出が細かすぎます。

そこで、メモを二つに分けてみます。「分かっていること」と「まだ分からないこと」。返事が必要な期限があるなら、その時刻と、確認するタイミングも書く。想像を消そうとするより、次に何をするかを一つ決めるほうが、取りかかりやすいかもしれません。

もちろん、実際に困ったことが起きているなら、対応や相談が必要です。この言葉で、つらさを小さく見積もる必要はありません。眠れないほどの不安まで、「考えすぎ」の一言で我慢しなくて大丈夫です。

今日の反省会は、材料がそろってから

気になることを一つだけ選んで、「これは確認できた事実かな」と問い直してみる。まだ分からないなら、分からないまま置いておく。今できる確認があれば、それだけする。残りの時間まで、未来の問題に全部渡さなくてもいいのです。

返事を待つあいだに、お茶をいれる。目の前の仕事を一つ進める。反省会の開催は、せめて議題が本当に届いてからでも遅くないかもしれません(*^^*)

あなたの気持ちを少し軽くした言葉も、「みんなの言葉」投稿ページから聞かせてください。

出典・参照

Seneca, Moral letters to Lucilius, Letter 13, section 4, translated by Richard Mott Gummere。日本語の引用は同英訳からの本記事訳です。メールやメモへの応用は、本記事独自の読み方であり、原著にある具体例ではありません。

この言葉から、もう一冊

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