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「要するにですね」と言ってから、まだ二分ほど話している。伝えたいことがあるほど、前提も事情も例外も付け足したくなります。メールも同じで、丁寧に説明したつもりが、スクロールしないとお願いが出てこない。書いた本人だけは、結論の場所をよく知っています。
そんなとき、少し笑いながら思い出したい台詞があります。
簡潔さを語る人の、長い話
簡潔さは機知の核心だ。
シェイクスピア『ハムレット』第2幕第2場、ポローニアスの台詞。英語原文からの本記事訳。
原文は “brevity is the soul of wit”。この言葉を口にするポローニアスは、「手短に」と言いながら説明を続け、王妃からもっと中身を、と促されます。単純な話し方の格言ではなく、言っていることと実際の姿のずれがおかしい場面です。立派な言葉を紹介しているこちらにも、少し耳の痛いところがあります。
短くするより、迷わせない
この台詞を仕事に重ねるなら、文字数を競うより、「相手は何を知りたいか」を先に考えてみます。たとえば確認を頼むメールなら、最初に「添付資料の金額を、明日の午前中までに確認していただけますか」と書く。そのあとに、背景や変更点を添える。
これなら相手は、何を頼まれ、いつまでに対応するのかを先に把握できます。説明を捨てるというより、相手が歩く順番に並べ直す。文章の親切は、長さだけでは決まらないのだと思います。
もちろん、短ければ何でもよいわけではありません。「確認お願いします」だけでは、何を確認すればよいのか分からないこともあります。安全に関わる手順や、大切な条件まで削らなくて大丈夫。必要な情報を残すことと、同じ説明を何度も重ねることを分けて考えたいものです。
送信前に、お願いの一文を探す
今日送る一通で、「相手にしてほしいこと」がどこに書いてあるか探してみませんか。最後の段落に隠れていたら、最初へ移してみる。それだけで十分です。
うまく説明できない日もあります。そんなときは、自分を責めるより、「いま少しポローニアスだったな」と笑って、一文だけ整える。簡潔さは、自分を賢く見せるためでなく、相手を迷子にしないために使えたらよいのです。
人とのやり取りで助かった言葉も、「みんなの言葉」投稿ページから聞かせてください。
関連する言葉:夏目漱石——違う意見を、すぐに距離へ変えない。
出典・参照
William Shakespeare, Hamlet, Act 2, scene 2(Folger Shakespeare Library)。引用はポローニアスの台詞の一部。日本語は英語原文からの本記事訳です。メールの構成や仕事への応用は記事独自の考察であり、作者本人の仕事術として紹介するものではありません。
この言葉から、もう一冊
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ポローニアスの台詞を、劇のやりとりの中で読みたい方へ。本記事の日本語引用は独自訳のため、書籍の訳文とは異なります。
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