言葉の力|マルクス・アウレリウス:進めない日は、進み方を変えてもいい

今日の言葉

that which is an obstacle on the road helps us on this road.

出典:マルクス・アウレリウス『自省録』第5巻20節、George Long英訳より一部抜粋。MITのInternet Classics Archiveに掲載された本文で確認できます。

日本語訳〈上記英訳からの本記事訳〉:道の妨げとなるものが、その道を進む助けとなる。

ここからは、この言葉から考えたこと

予定どおりに進めようとしているのに、どうしても止まってしまう。

必要な返事が来ない。使うはずの道具が動かない。何度試しても、同じところでつまずいてしまう。

そんなとき、「もう少し頑張れば」と、同じやり方を繰り返したくなることがあります。

それでも状況が変わらないと、自分の力まで否定されたように感じてしまう。

けれど、進めない理由があることと、自分に価値がないことは、別の話です。

『自省録』のこの一節には、妨げに応じて考え方や行動を変える発想が見られます。ここからは、それを日常の行き詰まりに重ねて考えてみます。

同じ道を押し通すことだけが、前進ではない

目の前の扉が開かないとき、強く押し続ける以外の選択もあります。

開く条件を調べる。別の入口を探す。詳しい人に相談する。一度離れて、順番を組み直す。

最初の予定から外れると、遠回りをしているように感じるかもしれません。でも、その途中で得た情報が、次の判断を助けることもあるでしょう。

「この条件では難しい」と分かることも、状況を理解する一部です。

できなかった結果を、自分への評価だけに使わず、方法を選び直す材料として扱ってみる。今回は、その視点を持ち帰りたいと思います。

何でも、よかったことにしなくていい

ただし、苦しかった出来事を無理に「成長のためだった」と言い換える必要はありません。

理不尽な扱いや、危険な状況まで、耐えて役立てなければならないわけではない。

離れること、助けを求めること、続けないと決めることも、自分を守るための選択です。

障害をどう受け止めるかは自分で考えられても、障害そのものが消えるとは限りません。他人や環境の問題まで、自分の心構えだけで解決しようとしなくてよいのです。

次の一手を変える

今、止まっていることがあるなら、一つ問いを変えてみませんか。

「どうしてできないのだろう」から、「何を変えれば、次の判断ができるだろう」へ。

期限を相談する。必要な情報を整理する。確認する相手を変える。今日は休んで、明日もう一度考える。

その選択が、すぐに成果へつながらなくても構いません。少なくとも、自分を責めるだけの場所からは動けます。

まっすぐ進めない日は、向きを変えてもいい。

目標を大切にすることと、最初に決めた方法を守り続けることは、必ずしも同じではありません。道を選び直す柔らかさも、自分なりの前進に含めてよいのだと思います。

今の気持ちから探す:頑張っても、報われない気がする

出典

MIT Internet Classics Archive: The Meditations, Book Five, translated by George Long(第20節)。引用、日本語訳、その後の独自考察を分けて掲載しています。

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アイキャッチ未作成・未設定。制作指定:岩を避けて緩やかに曲がる小道。道の先に明るい空間。石灰色・淡い青・草木の緑を使用し、困難を威圧的に描かない。画像内の言葉「道の妨げとなるものが、その道を進む助けとなる。」、小さく「言葉の力」「『自省録』5・20|George Long英訳より本記事訳」。文字の誤り・権利・スマホ表示を確認する。本文の最終校閲と編集用欄の削除後に、本人が公開・予約を判断する。